top of page

OKR への取り組みを開始するための 6 つのステップ


Peach sticky notes and a pastel pink highlighter with a purple tip on a wooden surface. A light pink eraser is nearby.

OKR(Objectives and Key Results:目標と主要成果)は、組織の方向性を統一し、クロスファンクショナルな製品開発を促進し、依存関係を効果的に管理するための強力なツールとして注目を集めています。


OKRの概念自体は比較的シンプルですが、初めて導入する際にはいくつかの課題に直面することがあります。今回は、OKRを初めて組織に導入する際に役立つベストプラクティスを探っていきます。



  1. 対象となる顧客を理解する


OKRを導入する際の第一歩は、対象となる顧客を明確にすることです。このステップでは、自分たちが「誰に価値を提供するのか」を理解することが求められます。顧客が外部のクライアントであれ、内部のチームであれ、OKRを効果的に設定するためには、この点を正確に把握する必要があります。


たとえば、内部プロセスを最適化したり、同僚向けのツールを作成したりするチームもあるかもしれませんが、最終的には特定の対象顧客に価値を提供することが目標となります。OKRの基盤を確立するために、自分たちが「誰のために働いているのか」を明確に理解することに時間を割きましょう。この基盤があることで、OKRが正確に目的を果たすものとなります。



  1. ビジョンを明確にする


顧客が明確になったら、次は組織のビジョンを描く番です。このビジョンステートメントは単なる言葉の羅列ではなく、目的、独自の価値、そして将来の展望を具体的に表現するものであるべきです。これは、組織全体を導く「北極星」とも言えます。


ビジョンステートメントでは、以下の重要な問いに答える必要があります:


  • 誰のニーズに応えるのか?

  • どのような価値を提供するのか?

  • 自分たちを際立たせるものは何か?


飢餓をなくす、プラスチック汚染と戦うといった大きな目標をビジョンに組み込むのもよいでしょう。このビジョンは組織だけでなく、そこに属する各チームをも鼓舞するものであるべきです。各チームのビジョンは、全体の使命にどのように貢献し、どのような価値を提供するのかを具体的に説明するものとなります。


このプロセスは、効果的なOKRを設定するための土台を築くだけでなく、チームが日々のタスクに優先順位をつけ、目標に集中し、モチベーションを維持するのにも役立ちます。この土台がOKRを強固なものにします。



  1. 目標を生成する


次に行うべきは、潜在的な目標をたくさん生み出すことです。このブログ記事では主にOKRの定義の仕組みに焦点を当てていますが、チームや組織全体を整合させる議論は、別の記事で詳しく扱います。


この段階では、制約を気にせず、大胆かつビジョナリーな発想でOKRのアイデアを生み出してください。大きなビジョンに向けて自分たちを前進させるための多様なアイデアを出しましょう。この時点では、実現可能性やタイムフレームを考慮する必要はありません。「改善する」「増やす」「構築する」「創造する」といったアクション動詞を使って、顧客の成果に焦点を当ててください。売上目標のような具体的な数値に固執する必要はありません。唯一の条件は、OKRが全体のビジョンに調和していることです。このステップでは、大胆な発想で限界を押し広げることが目的です。



  1. 目標を洗練させる


膨大なアイデアが集まったら、それを具体的なOKRに精緻化するプロセスに移ります。この段階では、以下の2つの重要な質問を考慮してください:


  1. どの目標が顧客に最大の価値をもたらすのか?

  2. どの目標が全体のビジョンの実現に近づけるのか?


このプロセスでは、OKRのアイデアを書き直したり、組み合わせたり、分割したりすることもあるでしょう。最終的には、ビジネスにとって最も重要な3〜5つの目標に絞り込むことを目指してください。


この段階では、目標を大胆で定量化されていないものに保つことが重要です。目標は成功を測る指標ではなく、正しい方向を示す道標であるべきです。「顧客満足度を80%に達成する」という具体的な目標ではなく、「顧客満足度を向上させる」といった広範な目標を設定しましょう。


目標は1つの期間(例:四半期)から次の期間へ引き継がれる場合があります。一方で主要成果(Key Results)は進捗に応じて進化し、以前の目標に向けてより野心的なものとなります。このステップは、戦略的な方向性を明確に設定するためのものです。



  1. 主要成果を設定する


次に、目標を具体化するために、明確で定量的かつ時間制限のある主要成果(Key Results)を設定します。各目標に対して、成功をどのように定義するかをアイデアとして複数挙げてみてください。たとえば、目標が「市場でNo.1になる」である場合、主要成果には売上高、ブランド認知度、収益のマイルストーン、顧客獲得数などが含まれるでしょう。


この時点では、具体的な数値目標を設定することに固執する必要はありません。各目標に対して、進捗と成功を測るための3〜5つの主要成果を定義することが目標です。ここで重要な概念は、目標は最終的な達成目標を示し、主要成果はその成功を測る手段であるということです。


また、「グッドハートの法則」を意識しましょう。「測定値が目標になると、その測定値は良い測定値ではなくなる」という原則です。そのため、最終目標(目標)に焦点を合わせつつ、主要成果を設定して進捗を測定できるようにすることが重要です。



  1. 主要成果を磨き上げる


次は、主要成果に具体的な数値目標を割り当て、仕上げを行う段階です。これを効果的に進めるためには、データを収集し、現在の指標を正確に把握する必要があります。このステップは、目標が挑戦的でありながら実現可能であるようにするために非常に重要です。計画期間が四半期であれ半年、または1年であれ、設定した目標がその期間内に達成可能なものかを確認してください。


数値目標を設定する際には、野心と現実性のバランスを保つことが大切です。目標の70%に到達できれば成功と見なし、100%に到達することをストレッチ目標(達成が難しいが挑戦しがいのある目標)と考えるのが一般的です。主要成果は定量的で具体的である必要があります。たとえば、「NPSスコアを改善する」という曖昧な目標ではなく、「NPSスコアを78%に引き上げる」といった明確な数値目標を設定します。


場合によっては、主要成果がバイナリ(はい/いいえ)の形式を取ることもあります。たとえば、「ウェブサイトを立ち上げる」というのはバイナリな主要成果であり、達成されたかどうかが明確です。重要なのは、主要成果がOKRの達成度を評価するために明確で使いやすい指標であることです。


もし目標が過度に野心的で、四半期内に達成が難しい場合は、目標をそのまま維持し、主要成果を複数の四半期にわたって調整してください。目標を分割してマイルストーン化すると、大きな目標への集中が損なわれる可能性があります。そのため、目標は大胆で大きなものであることを保ちつつ、組織を重要な成果へと導くものにしてください。



OKRの概念はシンプルですが、実際に導入するのは簡単ではありません。成功の鍵は、常に顧客に焦点を合わせ、彼らに提供する価値、そしてビジネスにとって本当に重要なものに集中することです。


OKRを設定する際には、大胆かつ客観的であることを意識し、組織全体のビジョンと確実に一致させることが重要です。これにより、OKRが効果的に機能するだけでなく、チームが意味のある目標と主要成果に向けて一体となって取り組むことを可能にします。これが、組織の成功と成長を促進する鍵となるのです。

コメント


bottom of page