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ビジネスアジリティの 6 つの核となる要素

更新日:2月21日


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アジャイルをスケールさせるというテーマは、私が本当に情熱を注いでいる分野であり、このブログで頻繁に取り上げていることにお気づきかもしれません。私にとって、アジャイルをスケールさせることは、単にアジャイルフレームワークを選んでそれを実行するだけではありません。それは、組織全体を上から下へ、そして下から上へと再構築することを意味します。


数チームを微調整するだけでは、ビジネスアジリティの真価を実現することはできません。このブログ記事では、組織全体でアジャイルを本格的に導入する際に考慮すべき6つの重要な側面を順に見ていきます。アジャイルの全ての利点を引き出したいなら、これらの要素を押さえることが重要です。



  1. フレームワーク


最も基本的な要素であるフレームワークから始めましょう。アジャイルを導入する際、Scrum、Kanban、XPなどのフレームワークに従うのが一般的です。しかし、アジャイルをスケールさせるとなると、組織レベルでのフレームワーク選択が重要になります。たとえば、SAFeやLeSSのようなフレームワークは、大規模な組織で複数のチームをスケールさせるために設計されています。


それでも、私はしばしば、組織の新しい構造、プロダクト開発サイクル、および特定の文脈に完全に一致するカスタマイズされたフレームワークを開発する方が効果的であると感じます。理想的には、チームは特定のフレームワークに縛られることなく、自分たちのニーズに最適な方法論を選べるべきです。多くのアジャイルフレームワークがScrumを基本として仮定しているのに対し、このアプローチは柔軟性を最大化し、チームレベルでの効率を向上させます。


もちろん、各チームが選択したフレームワークを効果的に活用できるよう、経験豊富なアジャイルコーチによる追加サポートが必要となります。



  1. 目標設定プロセス


アジャイルをスケールさせる際にもう一つ重要な要素は、目標設定の方法です。目標が単に上層部から下されるだけでは、それはアジャイルとは言えません。確かにリーダーシップは重要であり、全員が同じ方向に進む必要がありますが、現場のチームは顧客リサーチを行い、リクエストに対応しているため、顧客のニーズを最もよく理解していることが多いです。


理想的な状態は、ボトムアップの目標設定がトップダウンの整合性と交わる「スイートスポット」を見つけることです。チームは自分たちの洞察に基づいて目標を設定し、それをリーダーシップが統合し、組織全体の戦略に一致させるべきです。このプロセスを支援するために最適なのがOKR(Objectives and Key Results)です。詳細については、以前のブログ記事 [Unlock Growth: 7 Reasons to Implement OKRs] で詳しく説明しています。



  1. 財務計画


アジャイルのスケールアップを語る際、財務計画は特別な注目を要します。それは単に予算を確保することではなく、その資金の配分方法やチームが予算に関して持つ自律性が重要です。チームが目標を達成するために追加の資金を取得する柔軟性を持つこと、そして無駄な支出を強要されないことが重要です。


理想的には、チームは定期的な計画セッション(通常は四半期ごと)でOKRを提示し、それを達成するために必要なリソースを主張します。その後、組織の優先順位と整合させた上で、各チームが自由に運用できる予算範囲を受け取ります。この信頼ベースのアプローチにより、チームはリソースを最適に活用して目標を達成し、価値を最大化することができます。


予算が余ってもペナルティが課されない文化を育むことも重要です。価値に基づく判断を優先することで、より持続可能で柔軟な財務計画が実現します。



  1. パフォーマンス管理


アジャイル環境でのパフォーマンス管理は、従来の評価方法からの大きな変革を求められます。それは、クロスファンクショナリティを促進し、協力とプロアクティブな思考を育む新しいアプローチを必要とします。以下に、アジャイル組織が受け入れるべき主要な変化をまとめます:


  1. キャリアの進展: アジャイル環境では階層的な役職が減少しますが、その代わりに2つの主要なキャリアパスが開かれます。個人貢献者としてのパスと、マネージャーとしてのパスです。この両者には同等の認識と成長機会が与えられます。

  2. 個人とチームの目標: チーム目標が中心に据えられますが、個人の成長目標もまた重要です。チームの成果が成功の基準となる一方で、個人の成長はその成果を支える重要な要素です。

  3. 360度レビュー: パフォーマンス評価には、マネージャーだけでなくチーム全体からのフィードバックが含まれます。これにより、個人の貢献についてより包括的な視点が得られます。

  4. 貢献モデル: 各役割における明確な期待値を設定することで、チームメンバー間での適切なフィードバックが可能になります。これにより、各役割の影響についての理解が深まります。

  5. 継続的なフィードバック: 年次レビューの代わりに、頻繁で定期的なフィードバックが推奨されます。これにより、常に期待値と一致し、開発が促進されます。

  6. サーバントリーダーシップ: リーダーは指示を出す存在から、チームを支援する存在へと変わります。リーダーの評価は、チームの成長を促進する能力に基づいて行われます。


アジャイル組織におけるこれらの変化と、それが人事管理に与える影響についての詳細は、別のブログ記事で深く掘り下げていますので、ぜひご覧ください。



  1. 組織構造とリーダーシップ


アジャイル組織では、クロスファンクショナルなチームが導入されるため、従来の組織構造に大きな影響を与えます。従来の企業は、セールス、マーケティング、デザインといった機能別の部門で構成されるのが一般的です。しかし、アジャイルの移行では、これらの部門を再編成し、プロダクト、要素、機能をサポートする多様な専門家を含むチームを形成します。


この構造の変化は、組織全体をプロダクト中心のモデルへとシフトさせます。「顧客価値センター」を中心に新しい部門が構築され、一部の機能部門(法務や人事など)は引き続き存続することがあります。チームがより自律的になり、従来のリーダーの必要性が減少するため、リーダーシップの役割も変化します。リーダーは、従来の「指揮命令型」の役割から、チームを支援し、促進する「サーバントリーダーシップ」へと進化します。


このリーダーシップの変革については、別のブログ記事でさらに詳しく説明しています。



  1. 文化


アジャイル変革の最終ピースとして文化が登場します。文化の変革は、この旅の中で最も困難でありながら、最も影響力のある側面です。それは単に行動を変えるだけでなく、新しいマインドセットを育むことを目的としています。このマインドセットには、所有意識、大胆な目標設定、実験精神、協力、そして変化を受け入れる姿勢が含まれます。


このマインドセットを育てることは簡単ではありません。それには継続的な実践が必要であり、最も重要なのは、組織内で心理的安全性を確立することです。この心理的安全性は、リーダーシップレベルから始まり、組織全体に広がるべきです。定期的な振り返りや適応が鍵であり、これらの実践は通常、定期的なレトロスペクティブを通じて行われます。



最終的に、これら6つの重要な要素を通じて、アジャイル変革が組織の構造、リーダーシップ、目標設定、財務管理、パフォーマンス評価、文化にどのような変化をもたらすかが明確になります。これらの変化により、クロスファンクショナルなチーム、支援的なリーダーシップ、心理的安全性、継続的な改善の文化が重要であることが示されています。これらの要素を受け入れることで、革新と顧客重視を推進する真のアジャイルマインドセットが構築されます。

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